オーストラリア看護師(ナース)移住・永住

オーストラリアにおける医療関係者の技術移住受け入れ枠は安定しており、オーストラリアでの看護師登録を済ませた方は、技術移住ビザ取得の可能性が非常に高いと言えます。 例えば2015/2016年度、移民局は13872の受け入れ枠を看護師(Registered Nurses)に用意していましたが、実際にEOIが提出されInvitationが発給されたのは3252だけで、予定の23%に留まりました。 これは裏を返すと「看護師登録のハードルが高く、実際に移住ビザの申請条件を満たせた看護師が少なかった」事を意味しています。

日本の看護師が、看護師としてオーストラリアの技術独立系移住ビザ(S189/190等)の申請に至るには、看護師登録(Registration)と看護師技術査定(Skill Assessment)とをパスしなくてはいけません。この2つのプロセスを経て、初めて技術独立移住ビザのステップに進めます。 オーストラリアで看護師になるためには、大きく分けて二つの道筋(Pathway)があります。
なお、このページでの看護師は、基本的に正看護師(Registered Nurse:RN)を対象としており、準看護師(Enrolled Nurse)を対象とはしていません。2016年現在、準看護師(Enrolled Nurse:EN)はCSOLに掲載されているものの、実質ENの資格で移住ビザに申請を行うのは非常に厳しい状況です。

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AQF Degree Qualification Pathway

オーストラリアの看護学学士コースを終了し、AHPRA(The Australian Health Practitioner Regulation Agency)への看護師登録、ANMAC(Australian Nursing and Midwifery Accreditation Council)のスキル判定を経て、ビザ申請に辿る道筋(Pathway)です。
一般的な正攻法と言えます。日本で正看護師としての資格が無い人、日本で看護学の学士号を終了されていない方が、オーストラリアの大学に留学し、看護学の学士号(Bachelor of Nursing)を取得した上で看護師登録(Registration)と看護師技術査定(Skill Assessment)を経て技術独立系ビザ申請へ至るプロセスです。
簡単に表記すると「方法①:オーストラリアの看護学学士コース終了~AHPRA登録~ANMACスキル判定~永住ビザ申請」です。このプロセスは、非常に長い道のりです。お金(学費)もかかります。看護学学士コースは通常だと3年(学費AU$110,000程度)、諸条件があえばRPL(教科免除)の審査を受け1~2年へのコンバートコースへの入学が可能ですが、それでも最低1年のコースは履修が必須です。
よくあるのは、半年程度の英語コースを終了後Diploma of Nursing(2年程度)を経て、英語力を満たした上で1-2年のBachelorコンバートコースへ進む道です。
注意点として、オーストラリアの看護学学士コースを終了したからといって、必ずAHPRAへの登録ができるとは限りません。下記で触れる英語条件をクリアしなければ、学位を取得しただけに終わり、AHPRAへの正式登録ができないので保留扱いになってしまうので、あくまで英語力を高める努力が必要です。また看護学学士号留学をするコースがANMAC認定のコースであるか確認する必要があります。

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Overseas Qualification Pathway

日本(もしくはアメリカ)の看護学学士コースを終了している方が、直接AHPRA(The Australian Health Practitioner Regulation Agency)への看護師登録、ANMAC(Australian Nursing and Midwifery Accreditation Council)のスキル判定を経て、ビザ申請に辿る道筋(Pathway)です。
日本で看護学の学士号(Bachelor of Nursing)を終了されている場合、上記(AQF Degree Qualification Pathway)の様に時間とお金をかけずに技術独立系ビザ申請へ至るためのプロセスと言えます。「方法②:AHPRA前審査~EPIQ(IRON)~AHPRA(NMBA)登録~ANMAC~永住ビザ申請」です。 「日本(もしくはアメリカ)の看護学学士を保有していれば、簡単に看護師登録ができる」訳ではありませんのでご注意ください。詳細は下記にて。なお、後述しますが、このPathwayでは規定の英語力が申請必須条件です。

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上記の2つの方法、いずれの場合においても、その期間に関わらずオーストラリアの看護師登録関連機関指定の教育機関運営プログラムにて就学が必要になります。下記では日本の正看護師がオーストラリアで正看護師として登録・就業・永住する場合の細かな情報の紹介をします。

関連審査・登録機関について

看護師永住・留学・登録の際にやり取りが発生するオーストラリアの看護師関連機関は大きくはANMAC、AHPRA、NMBAの3つです。

AHPRA(The Australian Health Practitioner Regulation Agency)

看護士を含むオーストラリアの医療関係プロフェッショナルの登録機関です。「順序が逆?」に感じる方もいると思いますが、まず「登録(Registration)」を済ましてから「技術査定(Skill Assessment)」を受ける順番になっており、まず最初に通過するハードルが、このAHPRAです。

ANMAC(Australian Nursing and Midwifery Accreditation Council)

永住ビザ申請の際の移民局指定スキル判定機関です。AHPRAで「登録(Registration)」を済ませた方のみが、ANMACの「技術査定(Skill Assessment)」を受ける事ができます。

NMBA(The Nursing and Midwifery Board of Australia)

AHPRA内の看護師・助産婦の登録を管轄するセクションですが、AHPRAの一部と考えてください。以下の説明ではAHPRAに統一します。

ここで注意が必要なのはANMACとAHPRAの審査基準が異なることです。ANMAC審査では職歴も審査対象になるがAHPRAは学歴を重視した審査をする為、AHPRAはパスしてもANMACにパスしないケースもあり得るということです。

補足説明:看護師登録(Registration)と技術査定(Skill Assessment)

オーストラリアにて看護師として就労する為には、看護師として登録する事が必須です。極端な話(理屈の上では)「オーストラリアで看護師の学士を取得し、移住ビザを取得したいが看護師として就労する意思は無い人」は、AHPRAの看護師登録をスキップする事ができます(移民局からすれば好ましいことではありませんが)。

移民局にS189/190もしくはRSMSといったSkill Assessmentを申請必須条件としているビザに申請するためにはANMACの技術査定(Skill Assessment)は避けて通る事ができないプロセスです。オーストラリア人が看護師学士取得の場合は、上記AHPRAの看護師登録(Registration)だけが必要で、このANMAC技術査定(Skill Assessment)は必要ないのです。またS457雇用主指定暫定ビザに申請する場合は、AHPRAの看護師登録(Registration)だけでも良い事になります。

求められる英語力について

オーストラリア看護師登録には、高い英語力が求められます。(全てのコンポネントにおいてIELTS:7.0・OET:B等)2015年7月1日より基準改定が施行され、少し緩和されました。→例:OETの場合、6ヶ月間に受験した試験結果の内、ベストな点数の2回を引用し、併せてOET:Bとすることが出来るようになりました。(たとえばこれはOKです。→1回目:L=B・R=B・W=C・S=C、2回目:L=C・R=C・W=B・S=B)
また、オーストラリアの高等教育機関で5年以上の就学の証明が出来ればこのANMAC・AHPRA申請に必要な英語力証明は免除されます。ただし移民局申請の際にはいずれにしても英語力証明が必要となります。(※取得ポイントに関わらずANMAC指定の英語力が必要)
英語力は二つの道筋(Pathway)、AQF Degree Qualification PathwayでもOverseas Qualification Pathwayでも変わりなく、共通の必須条件なのです。下記4種類のテストスコアが評価対象(受け入れ対象)となっています。医療プロフェッショナルと言う点で「専門英語に特化したOETが一番スコアを上げやすい」のではないかと考えられていますが、個人個人の向き不向きもあるので、一概には言えません。2016年度の傾向としてはPTE Academicで高いスコアを上げる方が多いのも、一つの傾向です。時間と費用が許すなら、2種類以上のテストを受けてみて、スコアの上げやすそうなテストを見極めるのも良いかもしれません。

OET(Occupational English Test)

OETは、医療関係に特化した英語力テストです。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4コンポネントで構成されています。結果はA~EでAが最高得点です。全部で12の医療プロフェッショナルのテスト内容に分かれており、看護師は看護師用の受験用紙が用意されています。一般的に医療に従事してきた人はIELTSより点数取得が簡単と言われている理由もここにあるかもしれません。また、IELTSやTOEFL等他のテストと異なり結果のグレードが5段階と分割がおおざっぱということもこの理由として挙げられます。

IELTS( International English Language Testing System)

IELTSはOETとは異なり、医療関係に特化した英語力テストと言うわけではありません。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4コンポネントで構成されていますが、Academic Moduleの2種類があり、看護師に必要なスコアはAcademic Moduleに限られます。AcademicがGeneralより高度な内容であり、TeacherやAccountantといった専門職もNurse同様、AcademicでProficient レベル(7 in each band)が求められます。

PTE Academic

リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングをCommunicative Skills。Grammar・Oral Fluency・Pronunciation・Spelling・Written Discourse・Vocabularyといった英語の重要要素に対する評価もされるのが特徴です。ただし、AHPRAの規定の対象スコアとなっているのはCommunicative Skillsの4つのコンポーネントで、全てのコンポーネントで65のスコアが必要です。6ヶ月以内の2つのテストを合わせる場合も、58未満のスコアが混じっている場合は認められません。

TOEFL iBT

日本でも馴染みの深いTOEFLテストのコンピューター版テストです。トータルスコアで94点以上ある事、各コンポーネントで? 24 for listening? 24 for reading? 27 for writing? 23 for speakingが必要です。 同様に申請直過去6ヶ月以内の2つの結果をまとめて提出することも認められていますが、いずれも94点以上であること、最低スコアが? 20 for listening? 19 for reading? 24 for writing? 20 for speaking以上であることが条件です。

なお通常、英語の成績は、一回のテストで4つのコンポーネントのスコアが揃わなくてはいけません。ただしOETのみは2回のテストで4つのコンポーネントのスコアをそろえる事ができます。移民局に申請する際も、OETに限って2回のテスト結果を提出する事ができます。

オーストラリアのヘルスプロフェッショナル

看護師等の医療従事者をオーストラリアではHealth Professionalsと呼びます。一般的なオーストラリアでの看護関係のキャリアの道筋は、まずPCA(介護)→EN(准看護師)→RN(正看護師)の順番でレベルアップしていきます。病院やクリニックでの組織形態もこのレベルに合わせてチームが組まれています。 この中で現在永住権申請職業リスト(SOL)に記載のあるのはRN(Registered Nurse)です。

Overseas Qualification Pathway
AHPRA前審査~EPIQ(IRON)~AHPRA本登録~ANMAC~移住ビザ申請

留学の期間や予算に制限がある場合に検討する価値のあるパターンです。英語力次第で学士号への留学より圧倒的に短い期間でオーストラリアの正看護師登録をし移住ビザに繋げることが出来る可能性がある方法と言えます。 オーストラリア国外の正看護師がオーストラリアで看護士登録を行う場合は、AHPRAに申請を行うことになりますが、基本的には、以下の条件をまず満たさなければなりません。

① 英語力(OET:B以上・IELTS:7.0以上)
② 職歴(申請から追って過去5年中3ヶ月以上)
③ 学歴(学士号:Bachelor of Nursing)

まず、日本の看護学学士号を基に、看護師資格・職歴・英語力の3条件がクリアしていればAHPRAに初期登録(PreRegistration)申請を行います。 AHPRAは学士号の内容を非常に細かく調べますので英文シラバスの提出が重要になります。また実習内容の証明や薬学及びマネージメントの履修内容を大学から証明するように求められます。また厚生労働省かたの書類提出などもあります。 しかしながら、結局のところ「日本の教育システムと内容がオーストラリアのスタンダード(AQF)と異なる為」Refusal(却下)の結果通知が来ます。が、この結果通知に「ブリッジプログラムを受講せよ」との指示があります。俗に言う看護師登録ブリッジングプログラムです(EPIQ又はIRONプログラムとも呼ばれています)。 このプログラムは約10-12週間のコースで50%クラス内授業・50%実習で構成されています。入学条件は英語力(OET:B、IELTS7.0を取得しており看護師登録機関であるAHPRA/NMBAからこのプログラムを履修するよう指示があること。費用はAU$1,200~1,400程度です。

このプログラムをオーストラリア国内で受講します。なお現在、ブリッジコースは、VIC州で9コース、NSWで1コース、ACTに1コース、SAに1コースのみです(CTSではVICの4コースへのプレイスメントが可能です)。このプログラムを成功裏に終了し、AHPRAへの本登録申請になります。いわばAHPRAには2回申請することになるのです。

そしてAHPRAの登録(Registration)が終了したのを受け、ANMACへ技術査定(Skill Assessment)申請を行い、その良好な結果を受けて移民局のEOI・本申請へとプロセスしていくのです。以上の流れをまとめると以下になります。

OET:B取得成功後・・・
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AHPRA看護士登録初期審査申し込み
(審査期間:約3-4ヶ月、ケースにより異なります。)
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AHPRAより審査結果
エリジビリティーレターの登録に必要な条件確認
(看護師登録ブリッジングコース終了指定)
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EPIQ(IRON)看護師登録プログラム開始(3か月)
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AHPRAへ本申請
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オーストラリア正看護師登録完了
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ANMAC申請
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ANMACよりRNの認定を受ける
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永住権申請

注意:日本で看護士登録・免許取得の根拠となったコースの内容が主な基準となり、個々に審査されますので事前の確証は誰も得ることが出来ません。

AQF Degree Qualification Pathway
オーストラリア看護学学士号留学をお考えのかたへ

留学は人生で大きなイベントですので時間と費用をかけて留学をスタートするに前に確認出来ることは確認して先に進めましょう。※移民局・ANMAC・AHPRA/NMBA規定は不定期的に変更されます。 特に進学する大学のコースがAHPRA/ANMACの認可を得たコースでることの確認は最重要です。協力してくれる留学エージェントを介して確認しましょう。下記は留学からビザ申請への一般的なプロセスです。

英語コース留学(IELTS/OET準備コース)
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一定のスコアを取得後・・・
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Diploma of Nursingコースへ進学
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学士号コースへ進学
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AHPRA登録申請
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オーストラリア正看護師登録完了
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ANMAC技術査定申請
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永住権申請

注意:上記でも触れていますが、S189/190/RSMS/ENSなどのSkill Assessmentを必須申請条件としているビザに申請する場合は「ANMAC技術査定申請」を優先し「AHPRA登録申請」をスキップもしくは後回しにすることも可能です。

 

 


オーストラリア看護留学初期査定・留学プランニングサービス
Initial Assessment for Nursing Study Pathway Australia。

オーストラリア国外の看護士がオーストラリアの免許に書き換える際は、オーストラリア看護士登録機関(AHPRA/NMBA)に申請を行います。AHPRA/NMBAの審査は個々に行われており申請前に確証を得ることはできませんが、事前に確認が出来ることもあります。CTSオーストラリアでは、日本で看護士として活躍されている方で、将来オーストラリアにて看護士としてキャリアアップと社会貢献をしたいと考えている看護留学永住プランニングサービスを提供しています。留学は人生で大きなイベントですので時間と費用をかけて留学をスタートするに前に確認出来ることは確認して先に進めましょう。

※AHPRA/NMBA申請条件は不定期的に変更されます。本査定・プランニングは看護士登録を保証するものではなく情報の提供を目的としています。

サービス費用:AU$185.00-


看護師(ナース)技術査定申請代行におけるCTSのサービス内容

サービス内容 - 看護師(ナース)申請可否の初期査定
- 看護師(ナース)技術査定をパスする為のアドバイス
- スケジューリング及タイミング指示
- 看護師(ナース)技術査定申請、その後の査定機関との全てのコンタクト
- 申請提出書類リストの作成及指示
- 申請提出書類の作成補助(サンプル渡・プルーフリード・手直し)
- NAATI翻訳手配
- Certified Copy作成(パスポートを除く)
申請代行費用 AHPRA申請代行AU$1,200.00- Basic
ANMAC申請代行AU$600.00- Basic
S189/190申請代行AU$1,200.00- Basic
注意・追記事項 NAATI翻訳費用は別途発生します。

 

看護師(ナース)技術査定申請の説明は以上です。

 


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