地方政府認可雇用スポンサービザ
(Subclass 494 Skilled Employer Sponsored Regional)

以前の地方型永住雇用ビザ「Regional Sponsored Migration Scheme subclass 187 visa:通称RSMS」が廃止され、替わりに地方政府認可雇用スポンサービザSubclass 494 Skilled Employer Sponsored Regional(5年間暫定)になりました。オーストラリア国内の地方エリアにて完全雇用(Full Time Job)のオファー(Offer)が得られた場合、申請可能な永住権へのアクセス可能な暫定ビザです。

RSMSのような、いきなり永住権にアプローチ可能なビザではなく、クッションとして、現行TSS(482)の地方版暫定雇用ビザになります。494にて3年以上、指定エリアに居住及就労すると、永住権Permanent Residence Skilled Regional visa subclass 191への申請権が発生します。

S494がスタートしたのが、2019年11月16日の為、Permanent Residence Skilled Regional visa subclass 191の詳細ページは3年後の2022年11月16日まで公表されません。

ストリームは2種類「Employer Sponsored Stream」と「Labour Agreement Stream」。ビザ保有中のSubsequent Entrant申請も可能です。

494と482の相違点

以下の表は、494と482の相違点をまとめたものです。一長一短であり、申請条件・滞在条件において494が有利な部分もあれば、482の方が有利な部分もあり、一概にどちらが「申請が簡単」とは言えません。個々のスポンサー及び申請者の状況次第といえます。

Skilled Employer Sponsored Regional
Subclass 494
Temporary Skills Shortage
Subclass 482
申請順1.Sponsorship申請
2.Nomination申請
3.Regional Certifying Body (RCB)認定取得
4.Visa申請
1.Sponsorship申請
2.Nomination申請
3.Visa申請
対象エリアOnly in a designated regional areaオーストラリア全域.
可能ストリームEmployer Sponsored/Labour AgreementShort-term/Medium-term/Labour agreement
スポンサー海外企業はスポンサーは出来ない海外企業もスポンサー可能
Skilling Australians FundNomination毎の一括払い
Small business: $3,000.00
Large business: $5,000.00
Nomination毎の雇用年数かけ一括払い
Small business: $1,200.00/年
Large business: $1,800.00/年
設定給与額Temporary Skilled Migration Income Thresholdに准ず。ただしNon-monetary benefits(福利厚生費用)を含む。Temporary Skilled Migration Income Thresholdに准ず。ただしNon-monetary benefits(福利厚生費用)を含まない。
対象スキル650以上のスキルが対象(Regional Occupation List)STSOL/MLTSSL適応
Labour Market Testing例外免除無し日本人は免除
GTEレポートGenuine Temporary Entrant提出義務無しGenuine Temporary Entrant提出必須
就労経験条件最低3年の関連就労経験必須最低2年の関連就労経験必須
英語力条件Competent Englishレベル必須Competent Englishレベル不要(低め設定)
年齢制限45歳未満原則45歳未満(例外項目あり)
健康条件除外項目あり除外項目無し
Medicare加入資格ありなし
失職猶予期間90日60日
ビザ有効期間5年2年~4年
永住権Pathway全ビザ保有者が対象:subclass 191Medium-term stream/Labour agreement streamのみ:subclass 186
PR申請者変更494申請時のSecondary Applicantに変更可能482申請時のメイン申請者からの変更は不可

上表をまとめると484申請収容概要は以下になります

◎ビザの有効期限は5年間
◎申請Skillが494Skill Listに掲載されていること
◎申請時の45歳未満
◎Competent Englishレベルの英語スコアを保有すること
◎GTE要件は適用されない
◎PR VISA S191ビザを取得するにはS494ビザにて3年以上就労及び居住
◎他のGSM系ビザ及びS820パートナービザを3年間申請することはできない
◎Skill Assessmentにパスしていること
◎申請者は、申請スキルで少なくとも3年間の実務経験が必要
◎医師登録要件は適用されない
◎DoHA料金(主な申請者)4,045ドル、配偶者:2,025ドル、18歳未満の子供:1010ドル
◎2番目のVAC:成人志願者が英語力を満たしていない場合は4890ドル
◎メディケアの対象・健康保険は不要

申請に当たっての主な注意点

494は482の様にInternational trade obligations (ITOs) Exemptions が適応されません。故に日本人であってもLabour Market Testingは実行し提出しなくてはなりません。

494では、482には無い「Regional Certifying Body (RCB)から設定給与額の認可証」を得て、それを移民局に提出する必要があります。Regional Certifying Bodyとは、地方ごとの商工会議所に該当する機関です。移民局サイトにリストが掲載されています。

482/186/GSMに無いアドバンテージ

◎一番のアドバンテージではGSM用Skill Listに掲載されていないSkillや482では永住権へのPathwayが無いSkillでも、Regional Occupation Listに掲載されているSkillならば永住権へのPathwayがあること。
◎GSMの様なポイントシステムは採用されていないので、パスマークを気にしなくて良いこと。
◎482/491等他の暫定ビザと異なりMedicareに加入できること。
◎482に比べると、設定給与額に柔軟性を持たせてあること。

1.申請各ステージ

Sponsorship:雇用主のスポンサーシップ

標準ビジネススポンサーとしての承認を申請するには、企業は積極的かつ合法的に運営されており、スポンサーシップ義務を履行する財政的能力があるという証拠を提出する必要があります。457/TSSのスポンサーとして既に承認されている雇用主は、既存スポンサーシップを使用してサブクラス494ビザをスポンサーすることができます。 海外の企業が494ビザのスポンサーになることはできません。

2.雇用主ノミネーション(Nomination):

雇用主とポジションが適切なものか移民局によって審査されます。要件を満たすために、雇用主は以下を示さなければなりません:
◎申請スキルが、MLTSSLまたはRegional Occupation List (ROL)に掲載されている
◎Labour Market Testing(雇用公募)が実施された証明。例外適用無し
◎73,150ドルのTemporary Skilled Migration Income Threshold(TSMIT)を保障
◎The Regional Certifying Bodyから給与額の認証を受ける(後述)

2.2The Regional Certifying Body

Nomination申請時の主要項目に「The Regional Certifying Bodyから給与額の認証を受ける」があります。これは雇用主所在・就労先エリアの管轄地域認証機関(Regional Certifying Body)から設定給与額がエリアにて適正であることを証明してもらう事です。順番が逆になっていますが、Nomination申請時には取得が必要です。

3.申請者アプリケーション(Visa application):

申請者の主な絶対条件はENS/旧RSMSと同様です。
◎申請時の45歳未満事の証明
◎Skill Assessmentにパスしていることの証明
◎関連Skillでの3年以上の就労経験の証明
◎Competent Englishレベルの英語スコアを保有することの証明
◎申請スキルが該当Skill Listに掲載されていることの証明
基本条件は、GSMや旧RSMSと同等もしくはそれ以上なので、482よりはハードルの高いといえます。

雇用主スポンサーの主な条件

-雇用主は、シドニー、メルボルン、ブリスベンを除くすべての指定された地域であること(地域には、パース、ゴールドコースト、サンシャインコースト、マッコーリー湖、イラワラ、ジーロング、ニューカッスル、ウロンゴン、アデレード、ホバート、キャンベラが含まれる)
-Skillリストに掲載されていること
-ポジションはフルタイムでなければならず、おそらく5年間利用可能である必要
-雇用主は、地域認証機関(RCB)からの承認が必要
-雇用主はオーストラリア市場給与率(AMSR)支払いが必要

S494対象の地方エリア(RSMS Regional Areas)

RSMSの為のスポンサーシップを州政府から受けるためには、以下のエリアでの雇用オファーでなくてはなりません。

移民局が特定する「Designated Area」とは以下をさします。ただし、以下は大雑把な表記です。詳細はCTSにお問い合わせください。

New South Wales Sydney, Newcastleを除く全ての地域
Queensland Brisbane metropolitan Gold Coast areaを除く全ての地域
Victoria Anywhere
Western Australia Entire State
South Australia Anywhere
Tasmania Anywhere
Northern Territory Anywhere
ACT Anywhere

なおS491/494/191を対象としたRegional Postcode Listは以下になります。

State or Territory Category Postcodes
New South WalesCities and major regional centres2259, 2264 to 2308, 2500 to 2526, 2528 to 2535 and 2574
Regional centres and other regional areas2250 to 2258, 2260 to 2263, 2311 to 2490, 2527, 2536 to 2551, 2575 to 2739, 2753 to 2754, 2756 to 2758 and 2773 to 2898
VictoriaCities and major regional centres3211 to 3232, 3235, 3240, 3328, 3330 to 3333, 3340 and 3342
Regional centres and other regional areas3097 to 3099, 3139, 3233 to 3234, 3236 to 3239, 3241 to 3325, 3329, 3334, 3341, 3345 to 3424, 3430 to 3799, 3809 to 3909, 3912 to 3971 and 3978 to 3996
QueenslandCities and major regional centres4207 to 4275, 4517 to 4519, 4550 to 4551, 4553 to 4562, 4564 to 4569 and 4571 to 4575
Regional centres and other regional areas4124 to 4125, 4133, 4183 to 4184, 4280 to 4287, 4306 to 4498, 4507, 4552, 4563, 4570 and 4580 to 4895
Western AustraliaCities and major regional centres6000 to 6038, 6050 to 6083, 6090 to 6182, 6208 to 6211, 6214 and 6556 to 6558
Regional centres and other regional areasAll postcodes in Western Australia not mentioned in 'Cities and major regional centres' category above
South AustraliaCities and major regional centres5000 to 5171, 5173 to 5174, 5231 to 5235, 5240 to 5252, 5351 and 5950 to 5960
Regional centres and other regional areasAll postcodes in South Australia not mentioned in 'Cities and major regional centres' category above
TasmaniaCities and major regional centres7000, 7004 to 7026, 7030 to 7109, 7140 to 7151 and 7170 to 7177
Regional centres and other regional areasAll postcodes in Tasmania not mentioned in 'Cities and major regional centres' category above
Australian Capital TerritoryCities and major regional centresAll postcodes in the Australian Capital Territory
Regional centres and other regional areasNone
Northern TerritoryCities and major regional centresNone
Regional centres and other regional areasAll postcodes in the Northern Territory
Norfolk IslandCities and major regional centresNone
Regional centres and other regional areasAll postcodes in Norfolk Island
Other TerritoriesCities and major regional centresNone
Regional centres and other regional areasAll postcodes in a Territory other than the Australian Capital Territory, the Northern Territory or Norfolk Island

地方政府認可雇用スポンサービザRSMSのCTSのサービス内容

サービス内容 - RSMS申請可否の無料初期査定
- スケジューリング及タイミング指示
- RCB Certification申請、Regional Certifying Bodyとのコンタクト(オプション)
- ノミネーション申請、その後の州政府とのコンタクト
- ビザ本申請、その後の移民局との全てのコンタクト
- 申請提出書類リストの作成及指示
- 申請提出書類の作成補助(サンプル渡・プルーフリード・手直し)
- NAATI翻訳手配
- Certified Copy作成(パスポートを除く)
- ブリッジビザが必要な際の申請取得
申請代行費用 AU$4,400.00- Basic・申請者が一人の場合
配偶者AU$100プラス・子供1人につきAU$100.00プラス
RCB Certification申請はAU$800.00+GST追加費用
*移民局へのビザ申請代行費用のみで、技術査定申請代行費用を含みません。
技術査定申請代行費用に関しては、技術別詳細を参照にしてください。
*494のLabour Agreement Streamは弊社では扱っておりません。
*494のSubsequent Entrant申請代行はAU$1,600.00+GSTです。
注意・追記事項 NAATI翻訳費用は別途発生します。また、裁判所係争ケース(離婚問題・認知子問題)を過去現在とお抱えの場合は、追加費用が発生します。
健康上の問題(結核経験・移植経験など)を過去に抱えていた場合は、事前にお教えください。犯罪歴(起訴歴)に関しても同様です。
配偶者(パートナー)が同性の場合、事前に通知してください。

 

地方政府認可雇用スポンサービザS494の説明は以上です。