オーストラリアに留学し、二年間のコース(英語コースは含まれない)を終了し、DegreeもしくはDiploma等を取得した留学生には永住権・移住ビザを申請できるチャンスがあります。
オーストラリア留学から永住権を目指す場合、そのプロセスは長く、遠い道のりなので相応の覚悟と計画性、そして経済的資金をもってしなければ、大きな失敗を招きます。このページでは「オーストラリア留学から永住権」を目指す方への、大切な要点を記載しています。
GSM(General Skilled Migration)はスキルセレクトシステム(SkillSelect system)を通して申請許可(invitation only)を得た人のみが申請可能です。まずは最初に申請許可伺い(通称:EOI)を通して申請許可(invitation)を申請しなくていけません。
スキルセレクトシステム(SkillSelect system)は非常に競争が激しく、パスマーク60ポイントを確実に獲得できる条件を揃えた人しか申請ができません。またプロレイト(pro rata)が設定されている職種に関しては、60ポイント保有者が申請許可伺い(通称:EOI)を申請しても、申請許可(invitation only)が発給されない可能性があります。
現在スキルセレクト(SkillSelect)はGSM(General Skilled Migration)の申請プロセスの中で、一番難しい部分です。言い換えれば、スキルセレクト(SkillSelect)をクリアし申請許可(invitation only)を得たならば、高確率で永住権(S189/190)の取得が可能です。
スキルセレクトシステム(SkillSelect system)においては、60ポイント保有者よりも65ポイント保有者が、65ポイント保有者が70ポイント保有者が優先されてセレクトされます。留学から永住権を目指す場合、可能な限り保有ポイントを高める事が重要です。もし、虚偽でポイントを高めに申請した場合、本申請の審査プロセスで「証明できないポイント」を除外され、申請そのものが却下されることになります。
ただ「75ポイントが70ポイントに下降修正されたり」・「70ポイントが65ポイントに下降修正される」場合は、プロセスが延長されるだけで「却下」にまでは及ばない場合もありますが、悪質な場合は申請許可伺い(EOI)からやり直しを指示されることもあります。
GSM(General Skilled Migration)へのポイントを高める要素は主に以下を上げる事ができます:
- 英語力を高める(Improving your English Score)
- オーストラリアでの就労経験(Skilled Work Experience in Australia)
- 州ノミネーションを受ける(State Nomination)
- 地方の学校への留学(REGIONAL AREA Study)
- プロフェッショナルイヤーに参加する(Professional Year)
- NAATI資格を取得する(paraprofessional level)
- 配偶者ポイントを目指す(Spouse Skills)
「英語力を高める」・「就労経験・プロフェッショナルイヤー」は一般的なオプションですが、実際に「NAATI資格」や「州ノミネーション」の選択肢を実行される方も多くいます。申請時の年齢が25ポイント(40歳未満)を割るようであれば、上記のオプションのうち、最低でも3つはこなさなくては60ポイントに達するのは困難でしょう。
重要なのは、留学を計画する時点で、上記のオプションをどれだけ盛り込んだ計画が必要かを見極めることです。
英語スコアはGSM(General Skilled Migration)のスキルセレクトシステム(SkillSelect system)において非常に重要な要素です。実際にはCompetent Englishをクリアしていれば申請条件はクリアすることになりますが、Competent Englishではポイントは「0」です。最低でもProficient Englishを取得し10ポイントを付加しないと、パスマークに達しない方がほとんどです。中にはSuperior Englishを取得し20ポイントを付加される方もいます。これは日本人には厳しいレベルですが、2016年度の弊社のクライアントでは3名おられました。
大切なのは留学期間中も英語力を高めることに意識を持ち、2~3度は試験を受け、実際にスコアを高めていく努力を払うことです。英語のテストスコアは3年間有効ですが、留学時のスコアを常に高めるように意識しましょう。
留学コースを選択する際、リスクの少ない職種(スキル)分野を選ぶ事が重要です。例えば:
- 競争の激しい分野を避ける(Competitiveness of Skill)
- 今後も需要の安定している分野を選ぶ(Safty Demand)
- 自分の経歴を生かせる分野を選ぶ(Consider your experience)
- 州ノミネーションリストを意識する(State Nomination List)
移住受け入れ職種リストであるMedium and Long-term Strategic Skills List (MLTSSL)やCombine Listは毎年変化します。「留学前にリストインしているスキルが、卒業時にはリストから外れ、結果的に移住ビザが申請できなくなった」と言う話をよく耳にします。2年3年先を予測するのは簡単ではありませんが、できる限りリスクの低いスキル分野への留学を考えなくてはいけません。
例えば、会計学(Accounting)への留学を考えている方は注意が必要です。Accountantは現在、非常に申請者が多く、またプロレイトが採用されておりパスマークは70です。将来的にリストから外れる可能性の高いスキルです。今からこの分野への留学は非常にハイリスクと言えます。プロレイトの採用されている職種は、高い語学力が求められるスキルが多いので、英語力のポイントが高い分だけポイントも高く設定されている場合と、将来的にMedium and Long-term Strategic Skills List (MLTSSL)から削除される可能性が高い職種ですので、注意が必要です。
留学期間中から、就職活動やアルバイト、インターンシップを通してオーストラリア国内で就職するチャンスを模索する事が非常に重要です。オーストラリア国内で雇用チャンスをつかむと、将来的にビザ取得のオプションも増えます。
- 雇用系ビザへのチャンス(Various employer sponsored visas)
- 豪州就労ポイントを得るチャンス(get points for Australian work experience )
- 州ノミネーションへのチャンス増大(State Nomination)
では、どうやって就労チャンスを得るのか?
- 大学での就労情報収集(university careers centres)
- ローカルの就労情報活用(local customs and attitudes)
- プロフェッショナルイヤープログラム参加(The Professional Year)
オーストラリアで就労チャンスをつかむのは容易なことではありませんが、ポイント的にS189/190への申請が難しいと予測される場合は、S457雇用主指名就労ビザを視野に入れ、雇用チャンスをつかむ事が非常に重要です。またS190州政府指名ビザを申請するに当たっても、雇用主からOffer Letterを得ているのと無いでは、セレクションプライオリティが格段に違います。
留学前から、州政府指名ビザを考慮し、留学先を考えるのも一つの手です。その理由として:
- S190には年度スキル別振り分け枠が適応されない(No Occupational Ceilings)
- インビテーションが平均より早く発行される可能性(invitation immediately)
- Medium and Long-term Strategic Skills List (MLTSSL)以外の職種での申請可能(CSOL wider list of occupations)
- 州ノミネーションポイントが得られる(5-10 additional points)
各州がそれぞれのクライテリアとリストを持っているので、注意が必要です。QLDやTAS、 WA、SAでの移住計画を考える場合は、その州の学校に留学する事が非常に重要な要素となります。
TAS州のように州内学校卒業生を優先的にNominationしてくれる州もあります。TASに限らず、だいたいほとんどの州がその傾向にあります。また事前に州を選択することで、下記のビザ申請にも有利な要素になります:
- Skilled Regional Provisional Subclass 489 Visa: this is a 4-year temporary visa which requires either state nomination or family sponsorship. To get PR, you must live and work in a regional area for 2 years
- Regional Sponsored Migration Scheme 187 Visa: this is a permanent employer sponsored visa. This requires a regional job offer, but the other criteria can be easier to meet than other employer sponsored visas